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2022.08.31

軽減税率を誤って適用した時の飲食店と来店者の対応

〇軽減税率対象品を標準税率で販売し、過払いが発生した場合

対応方法

来店者は店頭でレシートなどを提示してもらい、

飲食店は返金に応じるのが一般的です。

 

〇標準税率商品を軽減税率で販売し、不足が発生した場合

・相手が不特定多数の場合

請求書を再交付しながら料金を回収することは現実的に困難になります。

 

対応方法

誤った税率で適応した売買額を「正しい税率込みの金額」で経理処理します。

誤:軽減税率8%:税込価格1,080円、本体価格1,000円、税額80円

               ↓

正:標準税率10%:税込価格1,080円、本体価格981円、税額99円

 

・相手が特定の取引先の場合

対応方法

正しい税率を記載した請求書を再発行して経理処理するのが良いでしょう。

※なお、誤った税率で商品を販売した場合でも、消費税の申告手続きは正しい税率で行う必要があります。

 

〇適用税率に誤りがあるレシートを受領した場合

対応方法

来店者は飲食店にレシートや請求書を再発行してもらう必要があります。

※正しい軽減税率が記載された請求書が再発行されない場合、原則として仕入税額控除を受けられません。

 

仕入税額控除とは

事業者が「消費者から預かった消費税額」から「仕入れ等で支払った消費税額」を差し引くことを言います。

ただし、次の2つの条件のいずれかに当てはまる場合、

「請求書」ではなく「帳簿」のみを保存することで、

仕入税額控除を受けられるケースがあります。

 

①支払対価の額が3万円未満の場合

対応方法

請求書を受け取った事業者が、正しい税率で帳簿に記帳する。

 

②支払対価の額が3万円以上の場合

対応方法

正しい税率で帳簿に記帳するだけでなく、帳簿に「やむを得ない理由」及び「課税仕入れの相手方の住所又は所在地」を記載する。

※「3万円未満の取引」かどうかは商品ごとの税込金額ではなく、1回の取引金額の合計が税込3万円かどうかで判定する。

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