経営情報

2022.06.02

業務での運転前後の
アルコールチェックが義務化

 道路交通法施行規則の一部が改正され、令和4年4月から、業務上、自動車を使用する一定の者は運転前後のアルコールチェックが義務化されました。この業務は、安全運転管理者の業務として追加されることから、ここでは安全運転管理者の選定と追加される業務を確認します。

安全運転管理者の選任
 自動車の使用者は、自動車の使用の本拠(事務所等)ごとに、次のいずれかに該当する台数を使用する場合には、安全運転管理者を選任しなければなりません。
 ① 乗車定員が11名以上の自動車1台以上
 ② その他の自動車5台以上(自動二輪車(原動機付自転車を除く)1台を0.5台として計算)

 例えば、A市にある本社(使用車両10台)とB市にある支店(使用車両5台)があった場合、それぞれで選任します。
 また、台数の判断にあたって、自家用車を通勤のみ使用している場合には含めませんが、その自家用車を業務に使用している場合には台数に含めることとされています。
 さらに、自動車20台以上を使用している事業所においては、20台ごとに副安全運転管理者を1人選任することになっています。
 安全運転管理者等を選任したときは、選任した日から15日以内に事業所を管轄する警察署に届け出る必要があります。
 なお、安全運転管理者等の選任を怠ると、罰則として5万円以下の罰金が定められています。

 

追加される業務
 安全運転管理者の業務は、交通安全教育や運航計画の作成、運転日誌の備付け等、多岐にわたりますが、令和4年4月1日から、次の①及び②の業務が追加されます。
 ① 運転前後の運転者に対し、その運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること
 ② 酒気帯びの有無を記録し、記録を1年間保存すること
 記録する事項は、次のとおりです。
 ㋑ 確認者名
 ㋺ 運転者
 ㋩ 運転者の業務にかかる自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
 ㋥ 確認の日時
 ㋭ 確認の方法
  a. アルコール検知器の使用の有無(令和4年10月1日~)
  b. 対面でない場合は具体的方法
 ㋬ 酒気帯びの有無
 ㋣ 指示事項
 ㋠ その他必要な事項
 令和4年10月1日からは、一定のアルコール探知機を用いて①を行い、㋭aを記録します。このアルコール検知器は、常時有効に保持する義務もありますので、ご注意ください。

 

まとめ
 飲酒運転防止には、運転者や安全運転管理者だけでなく、企業全体で日頃から安全運転に対する意識を高く持ち、飲酒・酒気帯びでの運転は絶対しないことを従業員等に意識付けることが大切です。安全運転管理者等の専任義務がある場合には届出の確認と、今回のアルコールチェック業務を適正に実施できるように、今一度業務の確認を行いましょう。

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