中国人の縁起担ぎ その3

前回は動物の「蝙蝠」や「鵲かささぎ」と取り上げましたので、今回は食べ物に致します。

まず「うどん」ですが、これは形状が長いために「長寿」や「結婚が長く続きますように」という意味もあります。特に長寿祝いのものは「長寿面チャンショウミエン」といって、年輩者のいる家庭では、誕生日などに食べる習慣があります。

次に「桃」は仙女西王母(シーワームー、せいおうぼ)の庭に生えている桃を食べると、不老不死になるといわれ、吉果とされています。最近、喜多川歌麿が描いた「西王母」の肉筆画が発見されニュースになりましたが、この人物像の後ろにも桃が描かれています。

中国で桃を持った女性の絵が飾ってあれば、まずこの「西王母」でしょう。日本でも中国料理店などで、本物の桃そっくりの菓子(点心)がコース料理の最後とかお土産用に売っていれば、これは「寿桃ショウタオ」と呼ぶもので、本来は老人の誕生祝い用のしんこ細工の桃なのです。

それからどうしても忘れてはならないものに、おなじみの「餃子ジャオズ」があります。

日本では「ギョーザ」と呼びますが、この発音は中国の北方方言が、そのまま日本に入ったものと思われます。

これは「更歳交子グンスイジャオズ」で、新旧の都市が交替する意味もあり、中国の北方地方では、年越しに食べる習慣が強く根付いています。(中国の長江以南の人は、それほど餃子は食べません)

又、新婚初夜の夫妻に半煮え(中国は水餃子ですから茹でてから食べる)の餃子を食べさせて、「煮えているかどうか」と聞きます。

すると答えは当然「生シヨン」です。「シヨン」は生煮えの意味ですが、これは「子供を生む」の意味をかねていますので、それを言わせているのです。それから餃子の形は、中国の古い時代の銀貨(馬蹄銀ばていぎん、元宝ユアンバオ)に似ていますので、お金に縁があります。

皆さんも餃子を沢山食べて、お金の縁を深くして下さい。

もう一つ、中国料理のコースでは、終わり近くに「魚」がよく出てきますが、これは魚の発音が「ユ」で、同音に「余」すなわち「余裕がある」に通じて目出度いのです。特に宴会料理がたりなくなっては招待側の面子は失われてしまいます。

さらに「鯉こい」ですが、発音が「り」ですから「利」に通じ「利が余る」となってさらに目出度いのです。

私はある宴会で、余という姓の人に会ったときに「貴方はきっとお金持ちでしょう」と言ったところ「余裕のない余です」とと達者な日本語で答えられた経験があります。

さてさて縁起にまつわる話は、まだまだありますが、きりがないので、この辺で終わりとします。

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