2013年9月アーカイブ

酒を歌った流行歌は数多くあります。古くは藤山一郎の「酒は涙か溜息か」から始まりアイジョージの「赤いグラス」江利チエミの「酒場にて」から美空ひばりの「悲しい酒」石原裕次郎の「ブランデーグラス」吉幾三の「酒よ」五木ひろしと木の実ナナの「居酒屋」河島英五の「酒と泪と男と女」渥美二郎「夢追い酒」小林幸子「おもいで酒」等々の曲が浮かびます。

そう言えば、石川さゆりにも「ウィスキーがお好きでしょ」というのが有りますが、これをカラオケで歌う人は、まずいないようです。

いずれにせよこれらの曲に共通しているのは、別れとか失恋とかをテーマにしんみりとした詞とメロディばかりです。明るくパッとした酒の歌が全然ありません。

これは一体どうしてでしょう。現実では酒を飲むと皆んなは大抵楽しくなってきて、声も大きくなり、騒ぐ人が多いのは、花見や宴会の席でおなじみの風景ですのに。

だが上に掲げた歌の詞をみると、ほとんど一人で酒を飲んでいる情況ばかりです。こうなるとやはりしんみりとした歌になってしまうのでしょうか。

そうそうそんな中に「二人でお酒を」という梓みちよが歌ってヒットした曲があります。ところがこの歌も「うらみっこなしで別れましょうね」で始まり、最後は「それでもたまに淋しくなったら二人でお酒を飲みましょうね」となっていてやっぱり一人の歌のようです。もう一つよく似たタイトルの「ふたり酒」という川中美幸が歌ったヒット曲があります。これも「生きてゆくのがつらい日はおまえと酒があればいい・・」という歌詞のようにやっぱりしんみりした歌でした。

ということで坂本冬美の「祝い酒」のような曲名なものを除いて流行歌の世界では、酒は楽しく飲むものでなく、一人で下を向きながらほろ苦く飲むか、二人で飲んでも、しんみりと静かに飲むもののようです。

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