2011年11月アーカイブ

寂(淋)しくなります

 

 私は父の勤めの関係もあって、小学校は四つ、中学校は二つの学校に行きました。加えて下宿生活を何年かやってますので、引越しの回数は、10回を軽く超えます。従ってそれだけの別れを体験しています。だが残念ながら、見送ってくれる人から、このセリフ「さびしくなりますね」を言われた記憶は、たったの二回しかありません。

 

 一つは小学校時代でした。私は小さい時、今では考えられない位の(?)いたずら小僧でした。教壇の机の中に蛙を入れることなど、勿論やりました。そんな学校を、名古屋から静岡へ転校する時でした。女の担任の先生にその旨を話しました。と先生は「内田君が居なくなるとさびしくなるね」とおっしゃいました。だがこれは「静かになるね」と同意語だったような気がします。

 二度目は青春時代ですが、これは涙無くしては語れませんので、灰になるまで仕舞っておきます。

 

 ところでサラリーマンの皆さんにとっては、社内の異動、転勤そして退職と、人を見送る機会が多いと思います。その時には「お元気で」以外にも、是非この言葉を憶えておいて下さい。

 というのも、私の年寄り仲間を見ているからです。彼等は私を除いて皆サラリーマン出身ですが、その人達が酔った時などに出る自慢話に、退職時に部下がこの言葉を言ってくれたというのがちょくちょく有ります。

 ですから、本心は(せいせいする)と思っても、最後のリップサービスとしてこの言葉を言ってあげて下さい。そしてもしその時に、女性の方に涙まで添えて頂ければ、これ以上ない良い功徳となります。

|

子ほめ 孫ほめ

 

 古典落語の演目に「子ほめ」というのがあります。話のあらましはこうです。

 御隠居の所に、ただの酒があるというので、八五郎が喜び勇んでやってきます。しかしそれは、なだの酒の聞き違いというのでがっかりします。そこで御隠居は、人をほめると御馳走にあずかれると教えます。とりわけ年齢を若く言うこつを教えます。これを聞いた八五郎は、早速街に出て実行しますが、上手くいきません。そうこうして、生まれたばかりの赤ん坊の居る家に着きます。ここでも失敗続きですが、最後に赤ん坊の年を聞きますと、父親が1歳だと答えます(当時は数え年)。そこで八五郎「どう見てもタダにしか見えない」

 

 さてこれは落語ですが、確かに子供をほめられると、親は自分のことよりうれしいかもしれません。だが現在ではもしかして「孫ほめ」の方がもっとうれしいかもしれません。

 と言いますのも私の年寄りグループの体験からです。私は二つのグループと毎月会っていますが、そこで共通の話題があります。

 一つは病気の話しです。ここでは腹も切らず、薬も持ち歩いていないと、何か肩身が狭い感がします。もう一つが孫の話です。これは例外無しにとても可愛いようです。子供よりずっと可愛いという人も多いです。だからこそ「孫ほめ」を上手くやれば、なだの酒以上の成果が期待できそうです。

 

 なお古典落語には、子供がよく登場しますが、孫はほとんど登場しません。この理由は、当時の庶民の平均寿命が短かったので、孫との接触がほとんど無かったのではないか、と私は勝手に推理しましたが、皆さんは如何お考えでしょうか。

 

 追伸

 老生に何か御意見あれば、052-908-7088 へFAX頂ければ幸甚です。

|