2010年12月アーカイブ

 待ちぼうけ

 最近はとんと聞くことはありませんが、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の童謡に「待ちぼうけ」というのがあります。この歌詞は中国の古い話(韓非子)から採っています。その話は以下のようです。

 昔、宋の国に一人の農夫がいました。ある日彼が野良仕事をしている時に、兎が走ってきて、木の切り株にぶつかって死にました。そこで農夫はそれを持ち帰り、妻に料理させて、兎の肉の御馳走にありつきました。さあそれからは、彼は野良仕事に出ることを止め、同じ目に合う兎を来る日も来る日も待ちました。しかしそんなうまい事は二度と起きず、畑は荒れ放題となり、国中の笑い者になったという事です。

 この話から、古いやり方や考えにとらわれて、時に応ずる能力も無く、少しの進歩の無いことを、「守株待兎(しゅしゅたいと)」とか単に「守株」と呼ぶようになりました。

 もう一つこんな話もあります。

 ある国は長い間A党が政権を担っていました。しかし首相が短期間に何人も交替したり、失言も重なったりして、勝手に転んだような形で政権交代が起こり、B党が与党となりました。

 しかしB党も首相がすぐに替ったり、外交や国防や経済面で国民の期待に答えてくれてません。国民は待ちぼうけを続けているように見えます。そうこうする内にもうじき兎年が来ます。このままですと、この国はよその国からも笑い者にされるのでしょうか。

|

 星月夜

 すばる(昴)という言葉、語感からすると外来語のようですが、れっきとした日本語(和語)です。そのことは枕草子に「星はすばる」という段があることからも知れます。又これをそのままタイトルとした谷村新司のスケールの大きな名曲があり、中国始め東アジアでも人気のある歌です。歌といえばこのように星や月をタイトルに使った曲が、数多くあります。例えば「一番星みつけた」「たなばたさま」「星影のワルツ」「星に願いを」「スターダスト」等々。月では「おぼろ月夜」「荒城の月」「月がとっても青いから」「ムーンライトセレナーデ」「ムーンリバー」等々が浮かびます。そう言えば、中国に駐在した人が必ず憶えて来るのが、テレサテンの「月亮代表我的心」(ユエリャン、タイビャオ、ウオダシン)です。

 こう並べてみますと、これらの歌は全て一昔前かそれ以上の歌ばかりです。

 これはまんざら私の年令の故ばかりではなさそうです。何故なら今、夜道を歩いて、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」と思っても、数える位の星しか見れません。これでは歌にする事も難かしいでしょう。私自身も降るような星空を見たのは、何十年もの前の信州のスキー場が、最後だったような気がします。

 そう言えば、かってその道の達人に教わった事があります。それは女性を口説くのに、雨が降っていても、星や月がきれいだと言える位が必要だということです。

 残念ながらこの教えも、私は実行できませんでしたが、さて、昔のような星空を、私達は取り戻すことが出来るのでしょうか。

|