2010年10月アーカイブ

「 ひ 」

 なんでも東京で三代以上続かないと、江戸っ子とは呼べないそうです。そうしますと、私のように父親の勤務の都合上、東京で生まれて6年間しかいなかった者は、江戸っ子度は10%もないでしょう。 しかしそれでも東京生れであった跡は残っています。それは何かといいますと、東京弁とも言われる下町の方言です。

 この方言については、日本方言辞典には以下の四つの特徴が掲げられています。

① ヒと シが混同する。例えば「広い」がシロイ、「朝日」がアサシ。

② 「教える」がオセール、「帰る」がケール のような形。

③ シュがシ。ジュがジ、だから「手術」がシジツ、「新宿」がシンジク。

④ 「落ちてしまった」がオッコッチャッタのような形。

 如何です。関東地方に住んだ経験のある人は、こんな言い方を耳にされたことがあるはずです。

 私自身は、この内の①のヒとシの区別は、かなりの年令になるまで悩まされました。④は今でも やっている時があります。これらの東京の下町方言の代表的語り口は、名人といわれた五代目古今亭志ん生の落語を、CDなどで聞かれると得心されるはずです。なにしろ師匠は東京の神田生れですから。

 そんな方言も、現在はテレビの普及などで、誰もが標準語をしゃべれる時代に、ナッチャイました。でも もし龍馬が標準語でしゃべっては、あのTVの面白さはかなり割引されることでしょう。

 ところで私は時々冗談で、四ヶ国語をしゃべれると相手を驚かせています。(内訳は、東京弁、静岡弁、名古屋弁、大阪弁 です。)

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 ハイカラと蛮カラ

 日本語は古来の大和言葉と、渡来の漢語、近来特に増えている外来語で成り立っています。(ひとつ、ふたつ、みっつ。いち、に、さん。ワン ツー スリー)従って中国語を少し学習すると、普段何気なく使っている言葉が、中国の故事に連っている事を、しばしば発見します。

 例えば「要領」という言葉があります。この「要」はかっては「腰」と同一の意味で使われたようです。一方「領」は今でも「領帯」はネクタイ、「領巾」がスカーフ、「白領工人」がホワイトカラーの意味であることからも分かるように「領」は首、襟の意味です。だから中国人の昔の衣服に、必ず腰(帯)と襟があるので、「要領」は、主要な部分、大切な部分を意味することになったとの事です。(レッドクリフの曹操の衣服や、我が国の和服を想像して下さい)

 さて前置きが長くなりましたが、テーマの「ハイカラ」の話です。これは大辞泉(小学館)によれば

 明治31、2年頃の議会で、このハイ(丈の高い)カラー(襟)の洋服を着用していた、洋行帰りの議員たちを、新聞記者が、ハイカラー党とからかって書いたところから、この言葉が出来たそうです。そこからその反対として「蛮カラ」も造語されたとのことです。

 さてそうしてみますと、私も含めて廻りには、「ハイカラ」の人も「蛮カラ」の人達もいませんので、私が言えないのではなく、使用する機会が無かったというのが正しいでしょう。そう言えば私の若い頃に「カラーに口紅」(歌手はコニーフランシス?)という歌も流行しましたが、私には残念ながら、こちらもまったく縁がありませんでした。

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