2010年6月アーカイブ

 てっさ

 子供の時に、食べる物に、うまい不味いを言うものじゃないと教育され、加えて懐具合が大きく関係して、グルメとは縁の無い生活を送ってきました。従って洋食、和食、中華等で、お高い店へ自分の金で行った経験はありません。だからミディアムで焼いてとか、ツバメのスープが飲みたい、大トロを握ってなんて日本語も使った事はありません。

 唯一の例外として、ふぐ料理が安く食べられる、三河湾の日間賀島へは何度か行っています。しかしここでもコースで頼んでいますので「てっさ」(ふぐのさしみ)という言葉も言えませんでした。

 こんな私でも、この年まで生きていますと、食べることで話の種になるようなことは幾つか有ります。例えば「上海蟹」を一度に何匹も食べたり、台湾では紹興酒のつまみに「カラスミ」を山盛りとか「フカヒレの姿煮」を三日間に4回という豪華版もあります。

 極め付きは「ロマネコンテを飲む会」の出席でしょうか。これは私の知人が株で大儲けをして、このワインをなんと10本も買い占めて、その内5本を招待客に振舞うというものでした。出席者の中には、囲碁の羽根本因坊の姿もありました。

 さて味の方ですが、普通のワイン(といっても1本1万円)との飲み比べもしましたが、私には100倍の差どころか、同じように思えました。猫に小判とはこのことでしょう。(しかし、私と同様の人が何人かは確かにいたと思います)

 そんなことで、やっぱり私には、うどん、そば、ラーメン、ハヤシライス、おでん等のおいしい店へ行くというのが、身の丈に合っているのでしょう。

 追伸 豊田市元城町にある「つちや」という非常に良心的なおそば屋があります。但し、昼食でも予約なしでは食べるのが難かしそうです。       (電 0565-31-4455)

|

 鶴亀鶴亀と桑原桑原

 落語や芝居で聞くか、活字で目にすることは有っても、私も含めてこの言葉を口にした人は、現代ではほとんどいないと思います。

そもそもこの文句は、縁起直しや、悪い事が起きるのを避けようとする場合に、おまじないとしてとなえるものでしょう。だからお目出たい鶴や亀を呼ぶのは理解できます。しかし、桑原の方は何のことか、知っている人は少ないでしょう。そこで「大辞泉」の説明を借りることにしますと、

① 死後に雷神となったという菅原道真の領地桑原には落雷が無かったところから。

② 雷神が農家の井戸に落ちて農夫にふたをされてしまったとき、雷神が「自分は桑の木が嫌いなので、桑原と唱えたなら二度と落ちない」と誓ったという伝説によるともいう。

 さて今回はまだスペースが有りますので、例によって中国のお話しをします。

 中国には鶴亀とつぶやくような、おまじないは存在しないようです。強いていえば「天?(神様の意)」でしょうが、一寸ニュアンスが違うようです。又、福の字を逆さまに飾って、福が倒れている、すなわち同音の「福到」で 福が来るようにというような縁起物は数多くあります。あの気味悪いコウモリも、「蝙蝠」と書くように、発音が「変福」や「遍福」に通じて 縁起が良いのです。

 話しを戻しますと、中国にはおまじないの代わりに、何か悪い事が起った場合の、なぐさめというか、新規蒔直しに当る言葉は豊富にあります。例えば、物を失くしたような時に、古いものが無くならないと新しい物は来ないという意味の「旧的不去、新的不来」とか、散財すれば難を免れる「破財免災」のような言葉です。これらを見ると、過ぎた事で綿綿とするより、災いを転じて福(吉)となす「逢凶化吉」のような精神は、日本人も見習う必要がありそうです。

|