2009年8月アーカイブ

 戦後の教育は、権利ばかりを教えて、義務や責任を果たす事の大切さを、教えていないのではないかと良く言われます。確かに私のように、戦前の教育を少しと、戦後は教科書に墨まで塗ることを経験している者でも、義務や責任について言われた記憶がほとんど有りません。

 この義務で言えば、私の仕事と関係の深い「納税の義務」が憲法30条にあります。この条文の意味を、学校で教えているのか大いに疑問です。

 大体 新聞やテレビで脱税が報道された時の、受け止め方にも問題があると私は思っています。上手いことをやっていた事がうらやましいとか、そんな方法が有ったら教えて欲しいとか、自分もやってみたい……等 と考える事自体がとんでもないのです。

 税金は言うまでもなく、所得や負担能力に応じて払うものです。言ってみれば、皆んなで担ぐ御神輿のようなものなんです。(税目によっては、必ずしもそうでないものも有りますが)

 だから誰かが肩に入れる力を抜くとか、担ぐ振りだけをされると、その分は間違いなく真面目に担いでいる人にのしかかるのです。

 そんな負担を押し付ける人を黙って見ているのですか。ましてや担がない方に廻るのですか。 怒るべきなのです。

 確かに税金は、喜んで払う人は少ないかもしれません。私なんかも情無い話ですが、この税金が無ければ海外旅行にも行けるのに、と思うような事が多々あります。しかし 担税力無き処に課税せず、の大原則からして、払える身分を感謝、と、かなり無理して納得させている現状です。その意味では、国民健康保険税などは、今まで歯医者以外に使わないで済んだことは、健康体で来れた事を大いに 感謝 感謝。

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 この言葉は、私が若い時に読んだ本に載っていて、印象が深かったとみえ、今でも憶えています。もっとも本の題名も、誰の言葉だったかも忘れています。後半は「保護せず」ではなく「助けず」だったかもしれません。

 いずれにせよ、この言葉のいわんとすることは、我々種々の法律の下に生活している現在、誰もが大いに心して置くべきでしょう。

 税法に限定したとしても、この言葉の実例は枚挙にいとまがありません。最も身近かな「医療費控除」一つを取っても、納税者がこの権利を使わない限り、税法は何の手も差し伸べてくれません。知っていれば確定申告をしたのに、或いは領収書を残しておいたのにと言っても 仕方ありません。 知らない方が悪いのです。(これに対しての「更正の請求」という制度も限定的にしかありません)

 と言うことは、納税者自身は、どのような権利が有るのか、行使出来るのかを、ちゃんと知っておく必要があるという事です。

 もっともその為にも、我々税理士という者も存在していますが、そのカバー出来る範囲は限られています。専門家としての勉強不足は論外としても、納税者の皆さんの細部の事情までは仲々に分かりません。離婚したかどうか、その理由は何か、扶養家族はどうなった等々、プライバシーに関することなどとても聞き難い事です。(これは「寡婦控除」「寡夫控除」に関係します。)

 そういった事も有るので、納税者自身も専門家に相談したり、何か変った事が有ったら税法上に何か関係ないかを、大いに目を見開いて、眠る事のないように致しましょう。

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